EPA看護師候補者教育 ~看護師候補者とともに~

個別学習

問題1.交感神経の緊張で弛緩するのはどれか

     1.立毛筋

     2.瞳孔散大筋

     3.膀胱括約筋

     4.気管支平滑筋

解説   

 1.× 立毛筋は交感神経系の緊張で収縮します(例:鳥肌)

 2.× 瞳孔散大筋は交感神経系の緊張で収縮します(例:散瞳)

 3.× 膀胱括約筋は内尿道括約筋のことで交感神経系の緊張により収縮します

     膀胱平滑筋は排尿筋とも呼ばれ、交感神経系の緊張で拡張して蓄尿に働き

     ます

 4. 交感神経系の緊張で気管支平滑筋は弛緩し、気道は拡張する

 

 EPA候補者は弛緩の意味がわからなかったそうです。選択肢1は律門金はびっくりすると収縮するから弛緩ではないと判断。選択肢2は交感神経の緊張で収縮すると理解していたそうです。選択肢3を選んでしまい間違えていました。選択肢4は収縮すると考えたそうです。弛緩(しかん)はゆるむことですよと話すと? よくわからないらしく、`たるむと説明して理解しました。

 

問題2.脳神経とその機能の組み合わせで正しいのはどれか

     1.顔面神経 →  顔の感覚

     2.舌下神経 →  舌の運動

     3.動眼神経 →  眼球の外転

     4.三叉神経 →  顔のしわ寄せ

 

解説

 1.× 顔面神経は顔の表情を作る表情筋(前頭筋や眼輪筋など)を支配する

 2.〇  舌下神経は舌筋(外舌筋と内舌筋)を支配し、舌の運動を支配する

 3.× 動眼神経は眼球運動まぶたを開く運動を支配している。

                眼球の外転は外転神経支配である

 4.× 三叉神経は顔面の知覚、咀嚼を支配している。

                額のしわ寄せは顔面神経支配である

 候補者は正解でした

 

問題3.Aさん(男性 78歳)は、朝自宅で目覚めたら利き手側の右半身がしびれ、言葉も話しにくくなったため、家族に連れられて救急外来を受診した。高血圧で降圧剤服用中。10年前に糖尿病と診断され、現在インスリン治療中である。来院時、意識声明、脈拍69/分(整)、血圧168/84mmHg、呼吸数19/分、瞳孔径は両側2.0mmで左右差なく対光反射あり、血糖値208mg/dLであった。頭部CTで明らかな所見は認められなかった。 来院時のアセスメントで正しいのはどれか

     1.脳出血が疑われる

     2.ラクナ梗塞の可能性がある

     3.硬膜下血腫の可能性が高い

     4.しびれは糖尿病性神経障害の症状である

 

解説

 1.× 脳出血では、頭部CTで高吸収域(白っぽい)画像が確認されるため、可能性は低い

 2.  脳梗塞の場合、発症直後にはCT上ほとんど異常は認められない。24時間以降で虚血部位が低吸収域として黒く抽出される。反対に脳出血では出血部位が高吸収域として白っぽく抽出される。CT上異常はないが、神経学的所見が認められれば脳梗塞が最も考えられる

 3.× 硬膜下血種であれば、CT上で硬膜下に高吸収域画像が確認されるため、可能性が低い

 4.糖尿病の血管障害の1つに神経障害があり、手足のしびれなどが生じる。今回は急性に発症したもので、言葉もでにくくなっているため、糖尿病神経障害によるものではないと考えられる

 候補者は4を選び間違えました。ラクナ梗塞の意味は全くわからなかった。わからないから選択肢2は選べなかったと話す。しびれで糖尿病性神経障害の症状だと考えたそうだが、今回の症状は急性に発症していることと、言葉も出にくくなっているため糖尿病性神経障害による症状ではないよと説明すると、ラクナ梗塞ということばの意味がわかっていれば正解できたかもしれないと話していました。

 ラクナ梗塞は細い動脈にできた血栓による微小脳梗塞の一種で、ラクナとは、小さな穴を意味する。15mm以下の小梗塞で日本では発症率が高く、脳梗塞のうち35%を占めています。ラクナ梗塞は安静時に起こりやすく、手足のしびれや、言葉が発しづらいというような症状が徐々に進行することが多い。自覚症状が無いこともあり、意識障害もほとんど起こらない。高血圧によって起こる動脈硬化が原因といわれている。

 

EPAの看護師候補者が専門用語や熟語の意味を理解するのはとても大変な努力が必要ですが、それぞれ頑張っています。最後まであきらめずに努力の継続が運命を決めます。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。