パーキンソン病

パーキンソン病

 日本でパーキンソン病に罹患している方はおよそ16万人いるといわれています。年々増加傾向です。

 

パーキンソン病ってどんな病気なの?

 脳の異常のため、体の動きに障害があらわれるんですよ。高齢者に多くみられるけど、若い人も罹ってしまうこともあるんです。

 

パーキンソン病の4大症状

 振戦(しんせん):手足が震える。安静にしているときに手や足に細かい震えが生じます。何かをしようとすると震えが止まることが多いのが特徴です

 無動・寡動:動きや動作が鈍くなります。歩く速度が遅く、歩幅も狭くなります。ァ歩く時の腕の振り方も小さくなります。

 筋固縮(きんこしゅく):筋肉がこわばります。筋肉がこわばり、身体がスムーズに動かなくなります。

 姿勢反射障害:立っているときに、軽く押されるとバランスを崩して倒れることもあります。進行すると出てくる症状です。(ヤールⅢ度)

 

パーキンソン病はゆっくり進行していく

 何年もかけて、ゆっくり進行していく病気といわれています。

進行の度合い

 ヤール1度:症状は片側の手足のみで、日常生活への影響は極軽度です

    2度症状が両側の手足に現れます。多少の不便はありますが、日常生活は普段通り送ることができます。

    3度:歩行障害や姿勢反射障害が現れます。活動がやや制限されますが、日常生活は自立しています。

    4度:両側の手足に強い症状が現れ、自力での生活が困難になり介助が必要なことが多くなってきます。

    5度一人で立位になることができなくなり、車椅子での生活や寝たきりになり日常生活は全介助になってきます。

 

早い段階で治療をすると支障なく生活ができます。厚生労働省の国民生活調査によるとパーキンソン病が原因で寝たきりになる人の割合は、全体の7.7%と言われています。最近では発症してから10年が経過しても、約7割の患者様が自立した生活を続けられるようになってきています。上手に治療を続けることができればコントロールができ、寝たきりを防げると考えられています。

 

家族のどなたかがパーキンソン病に罹ってしまったら、協力して見守りながらの生活が必要になります。家族で助け合いあたたかな視線が大切です。

起き上がりや、立ち上がりの時はゆっくりと行い確認していきます。車椅子への移乗時は、姿勢反射障害により前傾姿勢になりやすく、下肢の筋力も低下して転倒しやすくなるので、患者様の腰に手をまわして体を支え一緒に立ち上がるのをお勧めします。

 

普段から患者様の表情を観察していろいろな症状による苦痛を軽減できる援助が大切です。介護する人のペースではなく、患者様のペースに合わせて介護や看護をしていきましょう。