EPA看護師候補者教育 ~看護師候補者とともに~

こんばんは。

EPAとは経済連携協定のことをいいます。ブログでも以前報告していますが、最近読者になっていただいた方で、よくわからない方のために、報告しますね。

 

日・インドネシア経済連携協定(平成20年度から)、日・フィリピン経済連携協定(平成21年度から)、日・ベトナム経済連携協定平成26年度)から毎年、外国人看護師・介護福祉士候補者の受け入れを国が実施していて、母国ではそれぞれ看護師、介護福祉士の資格を持っている方が、日本での資格を取得する目的で連携協定のもと、日本に来日し、マッチングを行い成立した方を病院、施設が受け入れています。

 

私が勤務している病院でもフィリピン2名、インドネシア2名を2015年に初めて受け入れました。フィリピン1名とインドネシア1名は国家試験に合格し現在も看護師として勤務しています。残りの2名は来月が最後の国家試験にチェレンジになり、不合格なら帰国になります。1名は准看護師の資格を取得しているので4年間は勤務できます。

 

受け入れたばかりの頃は、日本語は小学校の低学年レベルで、国家試験の文章も読み、理解することはできませんでした。日本語、専門用語、専門科目の教育を毎日行い、今ではすらすら文章を読み、理解できるようになりました。あとは来月の看護師国家試験に合格できるよう支援し続けています。住居、生活用品、勉強道具、参考書をすべて病院側が準備して迎えました。日本での生活の仕方が落ち着くまで公共施設やスーパーでの買い物も一緒に行ったりしましたよ。楽しかったですね。お国柄の生活の違いを知ることもできます。

 

勤務は午前勤務、午後から学習時間となっています。勤務内容はとても熱心で患者様からは厚い信頼を得ています。現在は1日学習していて、来月の国家試験まで頑張ります。

 

~小テスト~

問題1.食中毒について正しいのはどれか

1.ノロウイルス食中毒は、夏季に発症しやすい

2.黄色ブドウ球菌食中毒には、抗菌薬が有効である

3.サルモネラ食中毒の原因食品は魚介類が多い

4.腸管出血性大腸菌食中毒は合併症を起こさない

5.ボツリヌス菌食中毒は、呼吸麻痺を来す

 

正解

1. 細菌性の食中毒の多くは夏季に発生しやすいが、ノロウイルス食中毒は晩秋から冬季に発生しやすい。症状は嘔吐と下痢が中心である。

2. 黄色ブドウ球菌食中毒は毒素型食中毒であるため、抗菌薬の作用は期待できない。

3. サルモネラ食中毒の原因食品は、鶏卵が最も多い。魚介類による食中毒は腸炎ビブリオに多い。

4. 腸管出血性大腸菌食中毒に後続して発症することのある溶血性尿毒症症候群は、死亡あるいは腎機能障害などの後遺症を残すことのある重篤な疾患である。

5. ボツリヌス菌は、芽胞の状態で存在しており、缶詰などの嫌気状態で増殖する偏性嫌気性である。神経毒を産生するため呼吸麻痺などを来し、致死率の高い毒素型食中毒である。

EPA看護師候補者は2名とも不正解でした。黄色ブドウ球菌食中毒の知識がなかったり、サルモネラ食中毒の原因菌が何かわかっていませんでした。食中毒の要点学習を課題にしました。

昨年の国家試験は数点不足で不合格でしたので、今年はなんとか合格して欲しいです。あとは体調に気をつけながら、インフルエンザにも予防をはらい、国家試験までモチベーション維持して頑張って欲しいです。

 

最後までお付き合いありがとうございます。