EPA看護師候補者教育 ~看護師候補者とともに~
~小テスト~
問題1.在宅における療養者のQOL向上のために援助で優先度が高いのはどれか
1.延命を目指す
2.各専門職の専門性を活かしたチーム医療を展開する
3.家族介護者が介護に専念する
4.医師を中心とした医療従事者の意向で生活環境の整備を行う
正解
1.✖ 延命のみを目的とした治療ではなく、本人の意思を尊重し、いかにその人らしく生きるかが重要視されている。
2.〇 在宅療養における療養者と家族の希望をかなえ、可能な限り精神的・身体的な自立を目指し支援するためには、各専門職の専門性を活かした援助と共通の目標をもった連携が必要となる。
3.✖ 療養者のQOLを維持するためには、家族介護者の負担の軽減が必要である。家族介護者に対しては介護に専念させるのではなく、社会資源の導入やレスパイトケアの実施などにより負担軽減をはかる必要がある。
4.✖ 在宅療養での環境整備は、QOL向上のために必要な援助である。しかし、医療従事者ではなく、療養者の意向を踏まえた上で、専門職が判断し援助していくことが基本である。
*QOL:その人らしい生き方や生活の質のこと
EPA看護師候補者は1名正解し、1名が不正解でした。不正解した方は選択肢3を選んで間違いました。フィリピンでは療養者の介護は、みな家族介護で行っているそうです。日本とは違いがあるけれども以前も説明し、介護ばかりでは介護するひとが疲労してしまうため、社会資源(訪問介護や訪問看護、訪問リハビリ等)や介護から少し離れる時間をつくる方法がありますよと説明すると、忘れていましたと苦笑いしていました。
日本は超高齢社会に入ってきています。今後も老齢人口が増えていくことがわかっています。2025年には高齢者率は30%に達し、2060年には約40%に達すると予想されています。このままでは、病気になってもすぐ入院できない日がすぐそこまできていると感じます。核家族が増加しているので、親の介護が必要になった時仕事はどうすべきか、生活の維持も必要、介護も必要となってきます。在宅での介護も難しいのが現状で、自宅での介護能力が減少しているんです。
もし、親が急に具合が悪くなり入院し、ある程度の治療が終了すると、自宅かまたは老人保健施設かなど方向性も考えておかなければならないですね。超高齢社会を地域で支えなければなりません。前もって、家族で話し合っておくのもいいですよ。
問題2.訪問看護の利用について正しいのはどれか。2つ選べ。
1.必ず要介護認定を受ける必要がある
2.介護保険による利用は原則1割負担である
3.医療保険による利用は対象となる疾患の患者のみである
5.医療保険による利用は年齢の制限がある
正答
1.✖ 要介護認定を受ける必要があるのは、介護保険による訪問看護利用の場合だけである。
2.4.〇 介護保険の自己負担割合は1割であるが、平成27年8月より、第1号被保険者で一定以上の所得者の自己負担割合は2割となった。
3.5.✖ 対象は、年齢や疾患を問わず、すべての在宅療養者である。
EPA看護師候補者は2名とも選択肢2は選んでいますが、もう一つの選択肢が間違ってしまい不正解でした。2つ正解しなければ〇にはならない問題です。ひとりは医療保険による利用は年齢制限があると思っていたそうです。もう一人は必ず要介護認定を受ける必要があると思っていたらしく、介護保険制度の要点学習を課題にしました。
母国では介護保険制度はなく、在宅看護は難しいと話しています。日本に来て3年が経過しましたが、日本の法律や社会保障制度と在宅看護の科目は難しいと話しています。覚えることがたくさんありますが弱音をはいていられません。努力なのです・・。
最後までおつきあい、ありがとうございます。