EPA看護師候補者教育 ~看護師候補者とともに~

~小テスト~

 

問題1.高齢者のうつ病の特徴で適切なのはどれか

1.激しい夜間せん妄を示すことが多い

2.記銘力低下により認知症と間違われることがある

3.これまでできていた日常生活動作が全くできなくなる

4.多様な妄想により行動・心理症状(BPSD)が出現する

 

正答

1. うつ病のときは、意欲低下・気力低下・不安感・焦燥感が現れるが、せん妄はみられない。せん妄は外界からの刺激に正確に認識できる能力を損なった場合に出現する。

2.〇 記銘力や集中力の低下が起こることも多く、認知症と間違われやすくなる。

3. 今まで慣れていた動作ができなくなるなどは、うつ病のときにみられにくく、認知症でみられる。

4. 妄想は本人だけが確信している訂正不能な誤った考えのことである。うつ病のときも罪業妄想や貧困妄想が出現することがあるが、認知症の行動・心理症状(BPSD)は現れない。

EPA看護師候補者は正解でした。去年は記銘力という言葉の意味がわからなく、選択肢2は選べなかったですが、語彙力もかなりついてきました。本人たちの努力の継続が現れています。

 

高齢者のなり、うつ病のきっかけには、環境生活状況の変化があります。配偶者との死別による喪失感1人暮らしからくる孤立感が関与するケースも多いといわれています。また、精神機能が身体機能を悪化させ、精神障害をさらに悪化させるといった心身相関が認められることも理解しておくことが必要です。

我が家でも、父が亡くなって1年経過するまでは母が鬱っぽくなり、一人で部屋にこもったり、外出をほどんどをしなくなり人と接することや会話が激減した時期が続いた時がありました。私が会話を促すよりも、孫が声をかけたりして会話をして徐々に回復していったのを覚えています。高齢者には環境の変化が大きく影響しやすくなりますので気をつけましょう。

 

問題2.Aさん(88歳 女性)は、路上で自転車を避けようと転倒し、救急搬送された大腿骨頸部骨折と診断され、人工骨頭置換術後方アプローチを行った。術後1週間内における看護で適切なのはどれか

1.日中は股関節屈曲・内転・内旋を保つ

2.術後4~6日間、発熱が続く場合は感染を疑う

3.足関節背屈時に足背部に疼痛がないか観察する

4.手術が終了したら弾性ストッキングをはずす

 

正答

1. 後方アプローチは大腿筋膜を切開し、外旋筋群を切開して行う。そのため軟部組織の支持性が低下し脱臼を起こしやすくなる。日常生活においては、可動範囲の限界を超えた股関節屈曲・内転・内旋をとると後方脱臼を起こしやすくなる。

2. 術後の発熱に吸収熱がある。手術でダメージを受けた身体が回復する際に起こる反応の一種で、2~3日続くことがある。術後発熱した場合、それが吸収熱であるか否かを判断する必要がある。人工骨頭は異物であり、それを体内に入れるため細菌感染を起こす可能性はある。手術後4~6日経過しても発熱が続くようなら感染を疑う。

3. 手術や臥床により長時間同一体位をとると筋ポンプ作用が低下する。それにより下腿に血流がうっ滞し、血栓ができやすくなり深部静脈血栓症を起こす。血栓ができていれば血管は膨張し、静脈圧が上昇しても内膜損傷により静脈炎を起こす。このとき下肢を伸展した状態で底背屈運動を行うと、足関節背屈時に下腿後面腓腹筋など)に疼痛を認める。この状態をホーマンズ徴候陽性という。

4. 血流の促進下肢の浮腫予防を目的として、しばらく装着しておくことが望ましい。

EPA看護師候補者は正解でした。大腿骨頸部骨折は高齢者の骨折で起こりやすい骨折なので要点学習をするよう声をかけていました。しっかり学習していることがわかります。

 

高齢者の場合、術後の長期臥床により合併症を生じやすくなり、それがきっかけで寝たきりになる可能性が高いです。術後は早期離床合併症の出現予防が原則である。また、人工骨頭置換術後は脱臼の可能性があることをふまえてケアしていかなければならない。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。