新人看護師研修

〜血ガスの読み方の初歩〜

 

血液ガス分析のデータを読み取れるように

 

呼吸不全の要因: SpO2の低下

(酸素化の障害=I型呼吸不全)

 

二酸化炭素血症: Pa CO2上昇

(換気の障害=II型呼吸不全)

 

 

血液ガス分析検査で何がわかるの?

酸素化 : Pa O2

換気 : Pa CO2

酸塩基平衡 : PH、Pa CO2、HCO3(重炭酸イオン)

BE(塩基過剰)

電解質 : Na, k, cl

血糖や乳酸など

 

看護師は医師から 血ガス取るぞ、と指示が出たら、ただ介助するだけでは意味がありません。何の目的で検査を行うのかを理解しなければいけないですね。

 

酸塩基平衡

・呼吸により調節されるPa CO2

代謝によって調整されるHCO3

・両者のバランスにより調整されるPHがあります。

 

酸塩基平衡異常が疑われる病態

・呼吸の異常 ・循環の異常

代謝の異常 ・疼痛

・精神的要因(過換気) ・薬剤の副作用など

 

正常値

PH : 7.4±0.05

PCO2 : 40±5

PO2 : 104−0.25×年齢

BE : −3〜3

HCO3 : 24±2

Sa O2 : 97〜98

 

代謝性アシドーシス : PH↓ HCO3↓↓ Pa CO2↓

過換気、頻脈、不整脈、冷たく湿った皮膚

右室の拡張、意識レベルの低下

原因は腎不全や尿毒症、高カリウム血症、重度の下痢

 

 

代謝性アルカローシス : PH↑↑ HCO3↑↑

Pa CO2↓

低換気、低血圧、意識障害

原因は低カリウム血症、重炭酸ナトリウム投与、輸血

体液量の減少、利尿薬過剰、嘔吐など

 

 

呼吸性アシドーシス : PH↓↓ Pa CO2↑↑

HCO3↑

頭痛、興奮、集中力低下、錯乱、混乱、せん妄

痙攣、幻覚など

原因は心停止、肺水腫、肺炎、呼吸中枢の障害、

気道閉塞、人工呼吸器の調節不全など

 

 

呼吸性アルカローシス : PH↑↑ Pa CO2↓↓

HCO3↓

めまい、しびれ、失神、痙攣

原因は過換気症候群、敗血症、無気肺、肺塞栓、

高山病態、うっ血性心不全、肝硬変、クモ膜下出血

 

 

これらの区別を覚えていきましょうと講義しています。

phを見て7.4以下ならアシデミア

7.4以上ならアルカレミア

 

代謝性アシドーシスはHCO3↓↓

代謝性アルカローシスはHCO3↑↑

 

呼吸性アシドーシスはPa CO2↑↑

呼吸性アルカローシスはPa CO2↓↓

 

この区別を覚えるよう説明しています。

 

あとはデータをみてどれが当てはまるか、自分で考える訓練を実際のデータで訓練しました。大体の新人さんは理解していました。

 

今日は演習はなく、講義を聞くだけで終了。誰もウトウトする人もいなく、今年はレベルが高そうです。😊

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。