研修準備

4月からの研修準備が始まりました。

私が現在の勤務先に異動してきて7年目になります。毎年1年間の研修スケジュールを

立案し、プログラムと企画書を作成。いくつかの研修講師を担当しています。その中で

一つの研修項目を紹介します

 

 「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」3つの能力から成り立っていて、職場や地域社会で多様な人々と仕事していくために必要な基礎力をいいます。

「前に踏み出す力」(アクション)

主体性:物事に取り組む力、指示待ちではなく自らやるべきことを見つける力

    (あいさつや仕事の準備・かたづけを自ら進んで行う)

 

働きかける力:他人に働きかけ巻き込む力、やりましょうと呼びかけ目的に向かう力

   (新入職員であることを自覚し、指導に対して感謝の言葉を示し返事をする)

 

実行力:目標を設定し、確実に行動する力、失敗を恐れずに行動に移し粘り強く行動する力 (失敗したことをいつまでもくよくよせず、やらせてください、教えてくださいと表明する)

 

「考え抜く力」(シンキング)

課題発見力:現状を分析し目的や課題を明らかにする力

   (指示されたこと、指導されたことはメモをとる)

 

計画力:課題の解決に向けたプロセスを明らかにし、準備する力

 (計画した目標に沿って自分がすべきことを意識する)

 

創造力:新しい価値を生み出す力、既存の発想にとらわれない

 (自分が大切にしている看護について説明できる)

 

「チームで働く力」(チームワーク)

発信力:自分の意見をわかりやすく伝える力

   (心配事やわからないことを相談する)

 

傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く力

 (他の人の意見を聴く時は、目を合わせて聴く態度を表す)

 

柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力、自分のルールや、やり方に固執せず相手を尊重する

 (新入職員に期待する役割について理解するまで質問する)

 

情況把握力:自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力

 (時間に余裕をもって出勤し、上司の指示命令はよく守る)

 

規律性:社会のルールや人との約束を守る力

 (服装や言葉づかいは、病院・看護部の規律に従う)

 

ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する力、ポジティブにとらえて肩の力を抜く       (食事をきちんと食べ、睡眠をとり体調を維持する)

 

経済産業省が2006年に職場や地域社会でさまざまな人と仕事をしていくために必要な基礎力として提唱しています。これを参考に勤務先の新人研修に取り入れています。

 

主体性は意欲や自信を支える自尊感情を含み、自律性から積極性、自己理解、管理、評価能力までカバーする力。人間が生きていくために欠くことのできない本質的な力で他の社会人基礎力の11の能力のベースとなります。この力を高めることが「働きかける力」や「実行力」を生み、チームの一員として行動することにもつながります。主体性を持つとは、自分でしたことの責任を自分でとることができ、自らの行動は、自分で考え行うということになります。やってもダメと思っているうちは、自分でも動くようにはならないです。あいさつや仕事の準備、後片付けを自ら進んでするという行動、院内などですれ違う職員、家族、業者の方に自分からすすんで挨拶を笑顔でする。3か月できていたけど、1年経過した頃は継続していない。簡単なことのようで意外と行動できていない人もいます。

今までの新人看護師さんの中で、主体性が弱い方は仕事も他の新人看護師よりも覚えるまで時間がかかる方が多い傾向でした。どの人も頑張って成長していただきたく研修を入れてきました。結果かなり効果的成長しています。

 

まとめ

 社会人基礎力を意識させて行動する習慣をつけ、主体性を身に着ければ社会人基礎力は向上していくことをここ数年で感じ取っています。これからも社会人基礎力を強化して新人看護師の成長を援助していきたいです。

 

最後までお付き合い、ありがとうございました。